江竜橋

江竜橋

発 注 者札幌土木現業所
施 工 者中山・五洋・北英特定JV
工  期平成16年1月8日 ~ 平成16年12月10日
施工地滝川市

概 要

道路土工  作業残土処理         1式
RC橋脚工 ニューマチックケーソン基礎工 1式
橋脚躯体工                1式
工場製作工 刃口金物作成工        1式

江竜橋現場は、江部乙と雨竜を結ぶ現江竜橋の老朽化に伴い新橋建設整備として、新橋完成までに平成23年、旧橋解体まで含めると、平成29年までの長い工程です。
 当社は現在その内の橋脚1基を施工しています。現場は石狩川と雨竜川の合流点にあり、「ニューマチックケーソン工法」という工法で施工されていて、現在発注されている他の4基も同じ工法です。

~ニューマチックケーソン工法とは~

ちょうど、内部の空気が逃げないようにコップを逆さまにして、水中に追い込んだ状態のように、水の進入を空気の圧力によって防ぐ原理を応用したもので、ケーソンの下部に気密作業室を設け、そこに圧縮空気を送り込んで地下水の進入を防ぎ、地上と同じ状態で掘削・排土を行いながら、躯体を地中に沈めることができます。橋梁や建物の基礎、トンネルなどの発進立杭、地下鉄などのトンネル本体などに広く活用されています。

この工法は当社では初めての工法で、この工法の最大のメリットは、基礎地盤を目で確認できる事で、またこの場所で鋼管矢板工法を用いた場合と比べると、半分のコストで済むそうです。

①マテリアルロック
 地下で掘削した土砂を、ここから排出します。
②マンロック
 地下の気密作業室に降りる際、ここから入っていきます。作業室は地上と比べて気圧が違うので、そのまま地下へ行くと、場合によっては潜水病のようになる恐れがあるため、作業員は事前に高気圧業務健康診断を受けています。しかしその日の体調によって中へ入る人を決めたり、入場を制限する場合もあるようです。

○沈下掘削状況
 現在地下8mまで進んでおり、最終的には15.6mまで掘削し、鉄筋コンクリート約5,400tを沈下させていきます。実際現場を近くで見て、色々な設備が周りにあり、今まで見た現場とは違う印象でした。請負金額の約3分の1は、この工法の設備にかかっているそうです。
余談ですが、現場取材へ行くと必ずと言って良いほど、下請職員の方々の注目を浴びます。今回も例に漏れず…。やはり普段着・ヘルメット姿の女性が現場に出没するのは、珍しい事のようです……。

○函内掘削状況
 ここが、地下の気密作業室です。掘削にはショベル3台を使用しており、モノレールのように天井にぶらさがっています。
 この作業室には、現場から500m離れた送気室から空気が送られていて、水圧との圧力を保っています。今現在は、地下8mほどの位置にあるため、室内はちょうど海底8m潜ったのと同じ気圧状態です。

 ここでの事故を想定しての、救護避難訓練などを行っており、緊急時に対して、万全の体制を整えています。

当社にとって初めての工法ということで、現場代理人の田中克弘さん曰く、「まず、初めて聞く言葉が多く、最初は戸惑いもあり勉強しながらという状態でしたが、今は順調に進んでいます」とのことです。

現場周辺は、ショウドウツバメの生息地ということで、野鳥の会からの要請で工事用道路を迂回して作るなど、現場以外の件で気を配ったりすることもあったようです。現在進捗35%ほどで、これからますます忙しくなりますが、無事現場を終えて欲しいと思います。