下野幌公営住宅

下野幌公営住宅

工事名公営住宅(下野幌団地建替A-11号棟)
新築工事(主体工事)
発 注 者札幌市
施 工 者中山・坂本・北陵・スミセキ特定共同企業体
工  期平成14年10月7日~平成16年11月15日


概 要

SRC造、地上14階、70戸
    1LDK-28戸、2LDK-14戸
    2LDK(車椅子対応)-2戸
    3LDK-26戸
    敷地面積3,862.49㎡
    建築面積639.71㎡
    延床面積6,282.64㎡

札幌本社から車で約50分、札幌市厚別区にある青と白のシートで囲まれた大きな建物がこの現場です。札幌市発注の建替工事で、 当企業体以外にもすぐ隣で他社が2棟施工中でした。当企業体が施工している場所は、他の2棟に挟まれるように真中に位置しているのですが、他棟より当企業体の建物の方がシートの見栄えも良かったと思います。

進捗率は5月末の時点で78%、内装外装共に仕上げの段階ということでした。延べ労働人員が約9,800人、延べ労働時間が約76,000時間と、大変規模の大きな工事です。
 現場周辺は住宅が多いということもあって、近隣住民に迷惑がかからないよう、騒音や振動などにはかなり配慮しているそうです。生コン車が現場に入るときには、騒音や振動、安全に気を配り付近を巡回パトロールしたりなんてこともあったのだとか。冬は冬で、雪道の段差で大型車両が音や振動を出さないよう徐行したり、ジェットヒーターを使用する際も騒音にならないように注意したりと、あらゆる部分で細心の注意を払って作業していたそうです。

この公営住宅は、高齢者や体の不自由な方にも充分配慮された設計であるのが特徴的です。一番の特徴としては、車椅子対応の部屋が2戸あり、入居者が決まってからその状態に合わせて、手すりの位置などを指定できるようになっている点でしょう。また、その2戸だけでなく、全70戸が車椅子に対応された造りになっており、手すりはもちろんユーティリティーは大変広く、玄関には壁式のベンチが設置され、車椅子から降りる際もベンチに腰掛けて無理なく移動することが可能になっています。

各部屋を見せてもらうことができましたが、どの部屋も居間はもちろん、洋室、和室ともに大変広く感じました。他の設備は公営住宅なのでシンプルだそうですが、高齢者や体の不自由な人の利用に合わせて大変工夫されているように思いました。

玄関、壁式のベンチが設置されます。

和室

槇田課長

福井主任

今回特別に、設置後初のエレベーターに乗せてもらうことができました。近頃では珍しくトランクスペースがあって、救急隊が搬送に使うストレッチャーや棺桶が入るような仕組みになっていました。民間マンションにはまず見られない、最近でも珍しい造りだそうです。

公営住宅ということで、札幌市の検査内容も一つ一つ、材料などあらゆる部分で環境・安全基準を満たしているか何度も指導や検査があるそうです。外部塗装に関しても、市の検査を受けて決定したばかりでした。ちなみに、この外部塗装は呼吸弾性透湿型という塗装で、コンクリート中の水分は出して、雨は吸いこまないという、いわば呼吸する塗装なのだそうです。

車椅子対応の部屋も見せてもらうことができました。玄関部分はもちろん全ての戸が引き戸で、段差もほとんどありませんでした。浴室部分も大変広く、車椅子対応ということで徹底されています。

車椅子対応の部屋は全て引き戸です

車いす対応の部屋の浴槽部分

屋上は本来入居住民も立入禁止ということでしたが、取材陣だけ特別に見せてもらうことができました。地上14階からの高さはなんと44m。天候に恵まれたこともあって見晴らしも大変よく、市内の街並みはもちろん、札幌ドームも見ることができました。さらに業務用エレベーターにも乗せてもらったりと、大サービスしてもらいました。

建物の安全や環境、品質だけでなく、近隣住民への対応など、様々な点に気を配っていて、その大変さがとても伝わりました。長期間に渡る工事も仕上げを残すのみということで、完成するのが大変楽しみです。
お忙しい中、槙田課長、福井さん、並びに現場の皆さん、取材にご協力していただきありがとうございました。

洋室

屋上から景色です。中央の白い屋根が札幌ドームです。

左より、福井主任と総務部の福田さん、電算部の安原さんです。