有朋高校改築

有朋高校改築

工事名北海道有朋高等学校改築工事(第2工区)
発 注 者北海道教育委員会教育長 相馬 秋夫
施 工 者中山・国策 経常建設共同企業体
施工場所札幌市北区屯田9条7丁目
工  期平成16年9月2日~平成17年8月22日


工事概要

PC造(一部RC造)、地上3階
     床面積1,352.26㎡、建築面積696.67㎡

今回は本社労働安全衛生委員会の安全パトロールに同行して、取材をさせていただきました。まず向かった先は有朋高校改築の現場です。現在中央区にある校舎から、平成19年4月にこの北区屯田に移転される予定になっています。近隣には道営・市営住宅や住宅街があり、緑も多く、学習環境としては大変よい場所ではないでしょうか。天気がよい時は屋上から札幌ドームを見ることもできます。

この改築工事は3期に分かれており、現在はその1期目にあたります。当社が施工しているのは、その第2工区校舎中央部分です。施工場所が第1工区、第3工区の校舎に挟まれているため、作業場所や工事車両の移動など他工区との連絡、調整にはかなり気を配っているそうです。

~PC工法とは~

有朋高校の現場では、PC工法が使用されています。PC工法は、あらかじめフレーム、PC鋼棒、テンプレートをセットして基礎コンクリートを打設し、そこにコンクリートの柱や梁を組み立てていきます。柱や梁は他の場所でコンクリート打設し、写真にあるようにクレーンで組み上げていきます。梁はPC鋼線を挿入し緊張させ、柱・梁の目地部や梁の隙間部分はグラウトを注入してしっかり固定します。最上階部分まで同じ作業手順を繰り返し、最後に柱にグラウトを注入して終了となります。一般的な工法に比べて、型枠工等熟練した職人の数に左右されることなく、高品質かつ均一なコンクリート部材を製造することができ、大幅な工期の短縮にもなります。この現場での作業手順をまとめ、道にPC工法の一例として提案を行っています。

基礎から出ているPC鋼棒へジョイントカップラーを接続

仮置きしている柱へPC鋼棒を挿入

柱をクレーンで立ち上げて所定の位置へ

接続した後、柱頭部で仮緊張させて柱を自立

目地にグラウトを注入、柱を均等に緊張させ柱建て方終了

梁の位置、レベル、目地幅の確認を行う

確認後、PC床版を所定の位置へ設置

PC鋼線を挿入し、ウィンチで引っ張り緊張させる

柱~梁の目地部にグラウト注入トッピングコンクリート打設

梁を緊張させ、梁から出ているホースからグラウト注入

最上階まで1フロアのサイクルを繰り返す

柱脚部よりグラウトを注入し、コッター部分までモルタル充填

校舎は3階建で、この第2工区は1階生徒玄関、2階吹抜け、3階視聴覚教室、音楽教室となっています。道路を挟んで向かい側にグラウンド予定地がありますが、2階部分にはそこに向かって渡り廊下(スカイウェイ)がつけられ、道路を渡らずに直接グラウンドに行けるように設計されています。その下には自転車置場を設置するなど、空間を有効に活用するよう工夫されています。校舎とは思えないほど立派な設備です。

柱脚部よりグラウトを注入し、コッター部分までモルタル充填

廊下

3階部分の視聴覚教室は、100人以上が収容できるほどの広さがあります。窓も大変大きく、明るい日差しが差し込んできます。 内装は、柱や梁、壁天井などコンクリート素地そのままでの仕上げになります。校舎でこのような仕上げというのはあまり多くないようですが、組立時についた跡なども味わいのある雰囲気が出て、いい感じに仕上がるのではないでしょうか。

取材時で進捗率は約79%と、8月末の竣工に向けて順調に進んでいます。校舎と校内施設全てが完成するのは平成19年とまだ先ですが、完成したらどんなに立派な校舎になるのか今からとても楽しみです。お忙しい中の取材となりましたが、堀田所長ご協力ありがとうございました。

屋上から見た中庭部分

音楽教室

視聴覚教室

堀田所長