MENU 事業本部、将来展望と抱負 ~ 髙橋 正志 常務 ~ 事業本部、将来展望と抱負 ~ 髙橋 正志 常務 ~ 2003-04-01 事業本部、将来展望と抱負 株式会社中山組 常務取締役 髙橋 正志 先ず、中山組創業80周年という歴史の礎を築かれました諸先輩や先人の方々に対し改めて 敬意と感謝を申し上げます。 一世紀弱という時代時代の節目では、語り尽くせないほどのご苦労が有った事とお察しいたします。この80周年という節目の年に事業本部としての、将来展望と抱負を申し述べさせていただきます。 1・建設業の見通し 建設業界の2003年度は、各社が生き残りをかけた正念場の年ではないかと言われています。国土交通省の統計では、平成15年度の建設投資額は、前年比4.5%減の53兆9,900億円の見通しであり、建設経済研究所の予測である平成16年度の建設投資額は、さらに3.4%減の52兆700億円と言われており、近い将来建設投資額は50兆円を割るものと思われます。 政府民間の建設投資の減少、地方交付税交付金の減少、生産業の海外流出による設備投資の減少と、どれをとっても我々建設業には明るい兆しはありません。 このような状況下では、発注者側からすれば今までのような発注方法では対応が出来なくなり、長野県・宮城県のような発注方法、また急激な需要減で起こる倒産や失業を防止するため、地方自治体の発注に於いては地元業者優先を徹底させる方向にあるのも現状です。 今後、発注方法や入札制度がどのように変わるのか、益々不透明になると思います。公共工事を主体としてきた我社も、前年度初めて官民の受注、施工比率が逆転しました。我々建設業界にとって、今の組織形態を維持し受注業だけで生き残ることは非常に難しい状況になっていくのではないかと思います。 2・今後の戦略と展望 今までにもいろいろと創意工夫をし、少数精鋭等によるコストの削減、技術錬磨によるコスト競争力の強化を図ってきましたが、土木・建築といったハードの面だけを考えていたのでは、本来の建設需要に対応できません。 ソフトの面で進めていくべき物として、 建設需要の現状把握と将来予測。 技術革新を適用し、新しい建設需要の創出。 得意分野に関連する事業に参画。 専門家の育成と、産・学・官の連携でプロジェクトの創出。 等があると思います。 当然建設業に連動する新規事業の開拓・展開を進めて行く必要があると思います。例えばナノテクノロジー(ナノカーボン)を利用した焼却炉の解体・汚染土壌の浄化改良等への事業参加による受注の拡大。(状況によっては、P F I等の手法を活用)また大学・公的研究所等と提携し新技術の開発を行い、特許や実用新案等の取得を進めていくことも、現在北村役場庁舎建設工事のような設計・施工技術提案競技方式等の入札に対応していく為にも、今後建設業には必要となります。 今までの投資と時代の流れは、社会資本整備(道路・港湾)→情報技術(IT)→エネルギー(風・熱・バイオ)→環境(土壌・水・リサイクル)と変化していることを考えると、これからは環境ビジネスをも主眼に置いた取り組みを考えて行かなくてはなりません。 今後、環境等を機軸にした「開発部門」の設置を視野に入れ進めていきたいと思います。 建設投資の減少は2010年頃まで続くであろうと言われています。総合建設業である我社は、現在の投資状況に中であっても事業本部はもちろん全社一丸となって勝ち組企業になる努力をしなければなりません。改革への展望は痛みとの闘いでありますが、必ず先に開ける物があると信じます。 最後に、「建設産業はマーケットの要求によって自らの体質を変えなければならない」ことを肝に銘じ、事業本部今後の抱負といたします。 ←「創業80年を機に ~ 金子 正之 専務 ~」前の記事へ 次の記事へ「80周年を機に更なる前進を ~ 樫野 喜明 常務 ~」→