アスベスト安全処理

吹付けアスベストとは

アスベスト

 1955年(昭和30年)頃から1975年(昭和50年)までに建築された建物の用途によって、耐火・防火・断熱及び吸音の目的で「吹付けアスベスト」が使用されました。また、アスベストの原材料である石綿は1970年(昭和45年)から1990年(平成2年)にかけて大量に輸入され、その多くは建材として使用されてきました。その後、吹付けアスベストの飛散による有害性が指摘され、これを使用した建物の改修、解体時の飛散防止のため、健康被害(肺ガン「中皮腫」等)防止の目的で平成7年に労働安全衛生法、平成9年に大気汚染防止法が改正され法整備が進みましたが、現在使用されている建物において飛散している、又は飛散の恐れがあるため、その処理が急務となっています。

アスベスト対策の経緯

 自然環境への関心の高まりにより環境への配慮が強く求められ、特に、生活排水、下水等を浄化処理する設備については周囲の環境を維持するため放流水の水質基準を守ることは勿論、最近は健康被害の因果関係まで及ぶ深刻な事態に入っているアスベスト対策は急を要する大きな課題になっています。

 昭和46年、旧労働省が特定化学物質等障害予防規則を制定し、石綿の取扱作業の作業環境規制が開始され、その後昭和50年に改定を行いました。労働安全衛生規則も平成7年,8年に改定、平成16年には石綿含有製品の製造、使用等が禁止されました。平成17年には石綿障害予防規則の制定でさらに厳しい規制が行われています。

 アスベストの処理に関しては、現状では完全に無害化する技術は確立されたものはなく、現状の材料の隔離とその保存管理が唯一の対策として行われています。

アスベスト除去への対応

中山組は、総合建設会社として次のことに責任を持ち提案いたします。

吹付けアスベストの調査と判断(サンプルによる分析)

  • 処理方法の(「除去工事」または「封じ込め工事」)提案及び法的手続き
  • 除去工事後アスベストに代わる無害材料・工法の提案
  • 法令等に基づいた安全施工と確認及び廃棄処分

トータルサポート

吹付けアスベスト処理後も、建物の安全性,機能性保持のために一貫した施工を行います。

アスベスト Q&A

Q1
A1 原則的には、早くアスベストを取り除くことが必要です。 しかしアスベストの付着状態により、適切な対策を講じる必要があります。

  • ・取り除き 付着しているアスベストを取り除きます。
  • ・封じ込め 付着しているアスベストをそのままにし、付着材を吹付け硬化させます。
  • ・囲い込み 付着しているアスベストをそのままにし、板などで囲い込みます。
Q2
A2 使用している室内の通常状態で2時間測定します。 費用は1試料50,000円、試料の数が増えれば単価は安くなります。
Q3
A3 建物の種別で大きく変わりますが、国の機関が調査し公開している単価の目安は、次のとおりです。

300㎡以下の処理面積 20,000円~60,000円/㎡
封じ込め 15,000円~35,000円/㎡(中山組調べ)
囲い込み 8,000円~25,000円/㎡(中山組調べ)

産業廃棄物として、取り除いたアスベストを最終処分場にて処理する費用は、35,000円~95,000円/m3別途かかります。

現地調査、見積もりは無料で行いますので、お気軽にご相談ください。

除去作業手順

1.除去作業事前準備

  • ◇工事計画・要領書作成
  • ◇必要機器・資材の準備・調達
  • ◇除去工事実施の表示
  • ◇作業前清掃

2.養生作業・準備作業

  • ◇床面養生・壁面養生・足場
  • *床プラスチックシート0.15㎜二重
  • *壁プラスチックシート0.08㎜一重
  • *足場・ステージ等組立
  • ◇セキュリティーゾーンの組立・設置
  • ◇負圧除塵装置の設置・エアレススプレイヤーの設置
  • ◇設備機器・什器備品等の養生
  • ◇作業開始前の環境測定

3.除去作業

  • ◇粉塵飛散抑制剤の散布、含浸の確認
  • ◇吹付け石綿の除去
  • *ケレン棒等による除去
  • *金ブラシによる除去
  • *再度飛散抑制剤散布
  • ◇作業中の環境測定

4.石綿処理

  • ◇除去した石綿の袋詰
  • ◇袋詰した石綿の一時保管
  • ◇床面、足場、設備機器養生面等思想
  • ◇除去個所の石綿清掃検査
  • ◇除去した面への粉塵飛散防止剤吹付

5.養生撤去・後片付け

  • ◇作業場所の換気
  • *作業場所の容積に基づく換気時間の設定
  • ◇壁養生シートの撤去
  • ◇作業所内足場の解体、場外搬出
  • ◇床養生シートの撤去
  • ◇養生シート等場外搬出
  • ◇作業完了後の環境調査

6.最終清掃

7.記録

  • ◇施工記録
  • ◇作業員の作業記録

8.完了

解体・改造・補修する場合の規制

吹き付けアスベストを使用した建物を、解体・改造・補修する場合の規制
(大気汚染防止法に基づく)

(1) 対象建築物

  • ・建築基準法における耐火建築物及び準耐火建築物で、延べ床面積が500㎡以上、かつ吹きつけアスベストの使用面積の合計が50㎡以上の建築物。(地方行政庁によっては、より厳しい制限を設けている場合が有るため、ご確認ください)

(2) 届け出義務

  • ・工事の施工者(元請け業者)には、都道府県または政令で定める市への届け出が義務付けられています。
  • ・吹き付けアスベストの除去等に係わる作業を行う場合は開始の14日前までに労働基準監督署に届け出が必要です。(無届の場合は、罰則があります。)

(3) 解体時の作業標準

  • ・作業場を他の場所から隔離し、出入り口には前室を設けます。
  • ・作業場を負圧に保ち作業場の排気には、高性能エアフィルタを付けた集塵排気装置を使用します。
  • ・除去する吹きつけアスベストを、薬剤などにより湿潤化します。
  • ・除去した部分に薬剤等を散布し、作業所内のアスベストを集塵した後、作業所の隔離を解きます。

(4) 改造・補修する場合

  • ・解体する場合と同じ措置を講じてアスベストを除去するか、封じ込めにより飛散を防止します。